MCRは臨床試験に特化した教育を行うわけではありません。臨床上の疑問に答えるための、人間あるいは人間集団を対象としたあらゆる研究をさします。これは、ランダム化比較試験・コホート研究・症例対照研究、横断研究など疫学研究に加えて、アウトカム研究、医療評価研究、費用効果分析などの医療サービス研究、決断分析などの研究分野を含みます。但し、遺伝子、分子、細胞、などを単位とした実験室研究を除きます。
(例)以下のような疑問に答えるような探索的あるいは検証的研究
- 「弁膜症のない心房細動にワーファリン使用は脳血栓予防に有効か?」
- 「単発の肝細胞癌に肝切除とTAEはどちらが生命予後が良いか?」
- 「医療エラ-は、個人の資質要因と職場環境要因とどちらにより関連しておきるか?」
- 「研修医の診断推論能力は、経験症例数の増加とともに向上するか?」
明確に研究計画を入学時点でたてられる必要はありませんし、それならば、MCRで勉強する意味はないでしょう。ただし、1年という短期間でプロトコル完成を目指すためには、最低限、研究で「何を明らかにしたいのか」は、志望理由書を提出する段階ではっきりさせておくことが望ましいです。入学後の個別指導教員(メンター)の決定のために出願前の面談を勧めていますが、その際に希望メンターと話し合う過程でこの点もはっきりして来るかもしれませんので、ご相談下さい。
以下のリンクで研究分野・教員の紹介を見ることができます。
教育・個別指導分野と教員
具体的なリサーチを進めるよりも、MCRは1年の短期プログラムであり、卒業条件はリサーチプロトコルを完成する、または、2次データ解析で論文を完成させることなので、入学時点で具体的なリサーチを計画していらっしゃる方を主な対象としています。それに対して、MCR以外の社会健康医学系コース(2年制修士課程[MPH]、後期博士課程)または医学博士課程(社会医学)では、そのような方を対象に時間をかけてじっくりとリサーチのアイデアを発案するところから指導致します。これらのコースを考慮頂くと良いかと思われます。一度、事務局にご相談下さい。
個別指導者(メンター)がかかわっているもので、許可があれば可能です。また、可能な範囲での紹介も考えられます。
以下のリンクで時間割を見ることができます。
授業時間割
社会人を優先する大学院ですので在職しながら、院に在籍することは可能です。ただし、このコースは2年間で取得する学位を1年で取得できるようにするコースですので、授業・実習が集中しています。そのため基本的に1年間を通して大学に通学する必要があります。
最終的に休職せずに授業をとることが可能かどうかは各自の勤務先との相談になると思われます。
論文を読解する英語力は必要になります。残念ながら、現時点で主な臨床研究は英語で発表されているため、英語の論文をたくさん読む必要がでてきますが、それ以上はコースの上で適宜学んでいただくことになると思います。
「出願資格審査」は不要です。
提出書類として免許証の写しが必要です。
可能です。当コースは広く臨床研究を志す臨床医の先生方をサポートすることを目的としていますので、京都大学に関連があると入学に有利になる、ないと不利になるということは全くありません。
大問で英語1問、専門科目3問です。過去問は医学部教務掛に直接申し出ればその場で借りてコピーすることができます。専門科目は、論理思考能力、研究の基本的な考え方が中心で、疫学統計学などの専門的なことは深くは問いません。
前期4ヶ月の必修の集中授業はセットとしてとっていただく必要があります。これを2年に分けて取得することは原則として認めておりません。
原則として必修科目全てを受講する必要があります。ただし、後期にある臨床研究計画法Ⅱの受講生の履修に関して、特別な事由がありMCR運営委員会での承認を受けた場合、受講生が開講期間中に自身のプロトコール発表を行い、質疑を受けることで、臨床研究計画法Ⅱの単位取得を認めることがあります。
医学博士のコースもあると聞きましたが、社会健康医学系専攻(これまでの3年制の博士後期課程に加え、医師向けの4年制の医学博士コースが平成17年度に開講されました)および臨床医学系専攻の医学博士課程在学生のMCR授業の聴講はコースディレクターの判断で可能です。
ただし、MCR必修科目を全科目聴講することを条件に、所定の期間(合格後入学前の指定された期間)に所定の受講申請書類を提出し、運営委員会の承認を得る必要があります(この場合には所属分野の指導教員の承諾書も必要です)。
特に規定はありません。入学選考に際して、こちらから連絡を取る可能性がありますので、基本的にご本人を良く知っていて、指導された医療関係者をお願いいたします。ご本人の研究に関する興味や経験などについてご存知の方であれば尚望ましいです。
平成23年度は5名、平成24年度は2名の専科生が入学しました。ただし、この人数は博士課程など、他の大学院生の数などやその他諸事情によって増減します。
博士課程は3年制の社会健康医学博士、4年制の医学博士コースがあります。
そのため、一言で言うと、
1. MCR卒業(1年)後 引き続き博士課程(3年または4年。それぞれ計4、5年在籍)
2. 博士コース(3年、4年)その中でMCRコース受講
の二つの方法があります。
尚、前者(1)の場合には、博士課程入学について入試を受ける必要があり合格の保証はありません。
後者(2)の場合には入学前にMCR受講申請が必要で、MCRコース受講後にもMCR学位の授与はありません。
学費は他の国立大学の大学院と同じです。
入学料 282,000円
授業料 前期分 267,900円(年額535,800円)
*入学時、在学時に改定されることがあります。
特に規則があるわけではありません。しかし、前期(4月~7月)の集中授業期間は、かなりの授業数をこなす必要があります。課題もありますから、現実的には時間的に難しいと思われます。それ以外の期間についてはアルバイトも十分可能だと思われます。
京都市内に家具付のウィークリーマンションなどがあります。
【ご参考】https://flat-a.co.jp/business/week/