- 野田 雅裕
- MCR14期
- 薬剤疫学 博士課程
皆様ご無沙汰しております。お元気ですか?
私はMCR専科生として入学し、そのまま翌年には博士課程に進学しました。論文を正しく読むことや、正しいことを世の中や目の前の患者さんに行うにはどうすれば良いのか知りたいという想いで飛び込んだ京大SPHでしたが、はや3年が経とうとしています。おかげさまで、MCR時代の研究がなんとかpublishされ、現在博士課程での2,3本目の研究に取り掛かっているところです。
MCR時代の1年間はとても濃厚で、その多くを消化するには卒業後の努力にもかかってくると思っていますし、現在もその途中です。このSPHで臨床研究を数多くの内容の濃い授業や、熱意のある同期とのdiscussion、先生方のコメントを頂きながら体系体に学ぶことのできる経験は、ここに飛び込んでしかできないものだと思いますし、自分の臨床研究に対する礎がここで形成され始めているのは間違いありません。
自分は40歳になってから入学しましたが、物事に遅いということは無いと思います。自分は心の中でモヤモヤしながら数十年(もしかしたら数年?)過ごしたら絶対後悔するだろうと思って京大SPHに飛び込みました。(妻1人、子供2人つき)
心のどこかでウズウズしている方、思い切って飛び込んでみては!
- 宋 龍平
- MCR12期
- 岡山県精神科医療センター
株式会社CureApp
2016年にMCRコース専科生として、健康増進・行動学分野の古川壽亮先生にご指導いただきました。最初は介入研究と観察研究の違いについての理解も怪しいレベルでしたが、大変よく練られたコースワークと古川先生のメンタリングのおかげで、様々な研究デザインについて不十分ながら理解することができました。
MCR入学時のテーマはギャンブル障害に関する横断研究でしたが、卒業後には、精神科、特に嗜癖性障害領域のコホート研究、尺度開発研究、ランダム化比較試験、系統的レビューなどを出版することができました。現在も健康増進・行動学分野に研究協力員として籍を置かせていただきながら、精神科臨床、研究、治療用アプリの開発と楽しい日々を送っています。
多士済々の同級生と共に学んだ京都での楽しく充実した1年間は、その後の自分のキャリアを大きく変えてくれましたし、世界を拡げてくれました。それまでの所属施設と関係を保ちながら臨床研究を学び、実践できる点は、京都大学MCRコースの大きな利点と思います。海外の公衆衛生大学院を検討されている方もいらっしゃると思いますが、私自身は5年前のMCRコース入学はよい選択だったと満足しています。これからも臨床研究の方法論を学び続け、臨床現場に還元できる研究に取り組んでいきたいと考えています。
- 角舘 直樹
- MCR5期
- 九州歯科大学 准教授
平成21年度にMCRコースを修了いたしました、角舘直樹と申します。私は、医療疫学分野にてお世話になり、その後も教員としてMCRコースに携わらせていただきました経験を活かし、現在も歯学分野を中心として臨床研究ならびに臨床疫学・Evidence-Based Dentistry教育を実践しています。特に、臨床の現場でエビデンスに基づく診療を実践し、かつエビデンスの構築にも貢献することのできる「ハイブリッド型歯科医師」の育成を自身の理念として掲げ、日々教育・研究活動に取り組んでおりますのが私の近況です。さて、福原先生が開設されたMCRコースが早くも10年目を迎えられたこと、心からお祝い申し上げます。MCR5期生の仲間と過ごした日々は、私にとって本当にかけがえのない思い出です。現在は、以前にも増してMCRのプログラム内容が充実していることと思いますので、今後とも優れた臨床研究者が養成され続けることと思います。
MCRに関わる皆様の益々のご活躍をお祈りしております。
(2014年4月)
主な業績
- Kakudate N. et al. Patient Age and Dentists' Decisions About Occlusal Caries Treatment Thresholds. Operative Dentistry. (2014 in press).
- 角舘直樹, 現場から世界へエビデンスを発信―ハイブリッド型歯科医師の育成―, 日本歯科医学教育学会雑誌, 2013;29:181-4.
- Kakudate N. et al. Restorative Treatment Thresholds for Proximal Caries in Dental PBRN. Journal of Dental Research 2012;91:1202-8.
- 佐久嶋 研
- MCR4期
- 北海道大学大学院医学研究科 連携研究センター(PMDA出向中)
2008年にMCRコースで臨床研究を学ばせていただき、早6年が経過しました。MCRコースでは臨床研究における研究デザイン・統計解析に加えて、メタ・アナリシスや質的研究等の手法も学ぶことができ、その後の臨床研究の実践に非常に役立ちました。MCRコース修了後は、北海道大学神経内科で博士課程に進み神経難病の臨床研究に加えて、脊髄空洞症の全国疫学調査や北海道大学病院の電子カルテデータを用いた研究等、いろいろな方と共同研究を行うことができました。これもMCRコースで系統的に学んだ臨床研究の基本があってこそのものと思っております。現在は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)という新薬審査等を行っている組織に2013年1月から勤務し、精神神経領域と再生医療製品の相談・審査に携わっております。自分にとって、MCRコースは医師・臨床研究者としての大きな転換点となりました。MCRコースを修了して活躍されている先生方、これからMCRコースで臨床研究を学ばれるみなさまとともに、引き続き日本の臨床研究の発展に少しでも貢献できればと思っております。
(2014年4月)
主な業績
- Sakushima K, Tsuboi S, Yabe I, Hida K, Terae S, Uehara R, Nakano I, Sasaki H. Nationwide survey on the epidemiology of syringomyelia in Japan. Journal of Neurological Science 2012;313:142-52.
- Sakushima K, Hayashino Y, Kawaguchi T, Jackson JL, Fukuhara S. Diagnostic accuracy of cerebrospinal fluid lactate for differentiating bacterial meningitis from aseptic meningitis: A meta-analysis. Journal of Infection 2011;62:255-62
- 佐久嶋研, 大庭幸治, 西村千佳子, 佐藤典宏, 梅木玲緒奈, 遠藤晃. 多職種共同による病院情報システム・電子カルテデータを臨床研究に活用するプロセス.情報処理学会デジタルプラクティス 2013;4:244-50.
- 長谷川 毅
- MCR2期
- 昭和大学藤が丘病院 腎臓内科 講師
みなさま、ご無沙汰しております。
私は、いくつかの出向を経て現在、元の職場で95%臨床業務の仕事をしております。残り5%で学内外の臨床疫学教育や、京大MCR・米国留学以来関わらせて頂いているDialysis Outcomes and Practice Patterns Study(DOPPS)をはじめとするいくつかの臨床疫学研究や、学会の各種委員会活動にも携わらせて頂いております。
時の過ぎるのは早いもので、MCRプログラムを終了して6年以上の月日が流れてしまいました。プライベートでは京都在住中まだ3歳だった長男は小学3年生に、帰国後生まれた長女が3歳になり、まだまだ子育てに(専ら妻が?)奮闘中でもあります。
年齢も40歳を過ぎ、「不惑」といきたいところですが、まだまだ色々と迷いながら日常臨床に従事しているところです。また機会がありましたらみなさまにお会いできることを楽しみにしています。これからもどうぞよろしくお願いします。
- 杉岡 隆
- MCR1期
- 佐賀大学 医学部 地域医療支援学講座 教授
皆様、ご無沙汰しております。
私は現在、佐賀大学医学部地域医療支援学講座で、総合内科・総合診療医の育成と、学生・研修医への臨床教育、地域医療の支援基盤整備、等を行っています。40歳でMCR1期生として医療疫学に入ってからすでに9年が過ぎ、今年はいよいよ天命を知る年齢に達しますが、悟りにはまだまだ遠いようです。あれこれ模索しながら仕事をしている状況ですが、目の輝いた学生や研修医たちと勉強できるのはとても楽しく、やりがいを感じています。ようやく仕事にも慣れてきたので、研究基盤の整備にも着手すべく、医療疫学卒の福森先生に来てもらい、また当講座の坂西さんに医療疫学で勉強してもらうことにしました。相変わらずお世話になりっぱなしですが、いつか恩返しができるよう、これからも頑張っていきたいと思います。
(2014年4月)
主な業績
- Murata K, Ishikawa S, Sugioka T. Investigation of Dysphagia Symptoms and their Association with Subjective Symptoms in Inhabitants of an Island. General Medicine 2013;14:32-9
- Sugioka T, Kubota Y, Wakayama K, Kimura S. Severe steroid-resistant thrombocytopenia secondary to cytomegalovirus infection in an immunocompetent adult. Intern Med. 2012;51:1747-50.
- Sugioka T, Hayashino Y, Konno S, Kikuchi S, Fukuhara S. Predictive value of self-reported patient information for the identification of lumbar spinal stenosis. Fam Pract. 2008;25:237-44.