京都大学 KYOTO UNIVERSITY

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 臨床研究者養成(MCR)コース

教育・個別指導分野と教員

薬剤疫学分野
  • 薬剤疫学分野 教授 川上 浩司
  • 教授 川上 浩司

医療現場における素朴な疑問から、各種の大規模な医療データベースを用いた臨床研究へ

(1)研究方針

  • 各診療科領域における診断や治療に関する臨床疑問を、リアルワールドデータなどの各種の大規模な医療データベースや疾患レジストリを用いて解決するための臨床研究を行っています。
  • 全国自治体と連携し、乳幼児健診や学校健診の情報をデータベース化することで、デジタルコホートとして縦断的に解析することができるライフコースデータの構築、それによる予防医療や小児保健に資する研究を行っています。

(2)MCR参画教員(役職)

川上 浩司(教授)、竹内 正人(准教授)、水野 佳世子(助教)、中嶌 雅之(助教)

(3)MCR大学院生による最近の研究事例

  • 妊娠高血圧症候群合併と児の神経学的予後に関する臨床疫学研究(小児科)
  • 黄砂曝露による冠攣縮に惹起される心筋梗塞に関する疫学研究(循環器内科)
  • 妊娠期発症の急性虫垂炎に関する研究(外科)
  • 消化器内視鏡治療の鎮痛・鎮静におけるデクスメデトミジンの呼吸関連合併症リスク評価: 過去起点コホート研究(麻酔科)
  • 緑内障患者における薬剤有害事象発生に関する薬剤疫学研究(眼科)
医療疫学分野
  • 医療疫学分野

エビデンスを生み出す研究、さらにエビデンスを医療や社会に繋げる研究を通じて、臨床上の疑問を解決する

(1)研究方針

医療疫学分野では、医療に関する様々な疑問を、臨床疫学研究およびそれに関連する研究により解明します。主に以下に掲げた4領域の研究活動を行っています。

研究領域1: 医療の実態(医療の質)を測定する研究
研究領域2: 患者が直接報告する情報を測定し、医療に活用する研究
研究領域3: 診断方法および治療(予防)方法の評価研究
研究領域4: 要因とアウトカムとの関連性を解明する研究

(2)MCR参画教員(役職)

山本 洋介(准教授)、小川 雄右(講師)

(3)MCR大学院生による最近の研究事例

  • 地域在住高齢者における腰部脊柱管狭窄症と要介護および死亡との関連性
  • 大腸癌に対する腹腔鏡手術手技評価のための尺度開発と妥当性・信頼性の検討
  • 低疾患活動状態のSLE患者における副腎皮質ステロイド投与量とEmotional Healthとの関連
  • 地域に在住する自立した高齢者における口腔咽頭嚥下障害と介護・死亡との関連
  • 遠隔臓器切除不能ステージIV大腸癌に対する原発切除と予後との関連
予防医療学分野
  • 予防医療学分野 教授 石見 拓
  • 教授 石見 拓

臨床の現場で生まれた疑問からエビデンスを作り現場に還す

(1)研究方針

  • 健康増進、病気の予防・治療から、心停止に対する救急蘇生まで、疾病のあらゆるステージにおける「身近な臨床疑問」を解決し、臨床行動の変化に直結するエビデンスの創出を目指しています。
  • 学問の前では皆平等に真摯な姿勢で取り組むこと、職種、領域を超えて協力し、チームワークを重視して取り組むことを大切にしています。
  • 臨床研究の立案から論文化まで経験することを重視し、教員による濃密なメンタリングを実施しています。
  • 研究成果を社会へ発信する取り組みを推奨・支援しています。

(2)MCR参画教員(役職)

石見 拓(教授)、阪上 優(教授)、降旗 隆二(准教授)、岡林 里枝(助教)、松崎 慶一(助教)、小林 大介(助教)、中神 由香子(助教)

(3)MCR大学院生による最近の研究事例

  • ヘルスリテラシーと服薬遵守の関連:横断研究(薬剤師)
  • 肺炎球菌ワクチン接種と心不全予後に関する前向きコホート研究(循環器内科)
  • 強皮症患者における肺動脈圧の経時的変化がもつ意義についての研究(膠原病内科)
  • かくれ肥満(正常体重肥満)の方に対する健康教育プログラム(ストリートダンス)の開発と検証:RCT(理学療法士)
  • 院外心停止ECPR症例の予後予測モデルの構築(救急医)
医療経済学分野
  • 医療経済学分野 教授 今中 雄一
  • 教授 今中 雄一

医療の現場やシステムをよくしたい人、解析力を高めたい人、来たれ!

(1)研究方針

  • 大規模データ/多施設データ/全国地域悉皆データを用いた研究ができます。
  • 自らデータを持ち込まなくてもOK。持ち込みデータ勿論OK。
  • データサイエンス、解析力が磨かれます。
  • 医療の質、プロセス、アウトカムの研究。その要因解明や改善。
  • データやエビデンスに基づく現場のマネジメントや制度・政策の推進。
  • 健康寿命延伸の社会設計、地域包括ケアシステム、医療介護の研究。

(2)MCR参画教員(役職)

今中 雄一(教授)、佐々木 典子(准教授)

(3)MCR大学院生による最近の研究事例

  • 腎不全患者の肺炎重症度スコアの開発
  • 化学療法前のB型肝炎スクリーニングにおけるEvidence-Practice Gap
  • 心臓外科手術のプロセスとアウトカムへの術中貯血式自己血輸血の影響
  • 終末期医療費・介護費の軌跡の解析
  • 経皮的冠動脈形成術に診療報酬改定が及ぼす影響
健康情報学分野
  • 健康情報学分野 教授 中山 健夫
  • 教授 中山 健夫

情報・エビデンスを「つくる」「つたえる」「つかう」という視点から、コミュニケーションやリテラシーといった領域へ

(1)研究方針

  • つくる・・・疫学研究(ゲノム・アプローチを含む)、アウトカムスタディ、インフォームドコンセントや個人情報保護などの情報倫理、学術情報評価など
  • つかう・・・インターネットやマスメディアによる健康・医療情報リテラシー、shared decision makingの研究など
  • これらはいずれも社会的な要請・期待が近年高まりつつある領域であり、公的な研究として支援、推進されている課題も多くあります。本分野はこれらの課題に柔軟かつ積極的に取り組んでいきたいと考えています。

(2)MCR参画教員(役職)

中山 健夫(教授)、高橋 由光(准教授)

(3)MCR大学院生による最近の研究事例

  • 月経前症候群スクリーニングツールの開発(産婦人科)
  • 成人上気道炎の咳嗽に対するハチミツの効用:ランダム化比較試験(家庭医療科)
  • 胃がん患者の術前運動機能と術後非脂肪量との関連:過去起点コホート研究(消化器外科)
  • 院内感染対策サーベイランス事業を活用した院内肺炎の薬剤耐性菌調査(感染症内科)
  • 高齢糖尿病患者の血糖降下薬処方パターンと認知症発症の関連:診療報酬明細書(レセプト)データを用いた研究(神経内科)
健康増進・行動学分野
  • 健康増進・行動学分野 教授 古川 壽亮
  • 教授 古川 壽亮

臨床疫学(EBM) と認知行動療法(CBT)を車の両輪とし、疾病および健康に関連する行動と認知を変容する実践的かつ実証的な研究を実践しています。世界の臨床と臨床研究を変える研究をしよう!

(1)研究方針

  • 自分の臨床の中で感じた臨床疑問を解決したい人、臨床研究の方法論を学びたい人、EBMを自分の臨床で実践したい人、を募集しています。
  • 研究室のon-goingな研究に参加し、臨床や臨床研究を変えるポテンシャルのある研究を行っていただきたいと思います。
  • すでに臨床データを持っている、またはデータがすぐ集められるフィールドを持っている方については、臨床研究を完遂するところまで指導します。

(2)MCR参画教員(役職)

古川 壽亮(教授)、渡辺 範雄(准教授)

(3)MCR大学院生による最近の研究事例

  • 過敏性腸症候群に対する認知行動療法のRCT
  • 過活動性膀胱に対する行動療法のRCT
  • うつ病に対する抗うつ剤の累積メタアナリシス
  • 連続値についてMD、SMDいずれの効果指標の方が外的妥当性が高いか(メタ疫学研究)
  • 精神科領域における高被引用論文の再現性(メタ疫学研究)
社会疫学分野
  • 社会疫学分野 教授 近藤 尚己
  • 教授 近藤 尚己

「だれ一人取り残さない」公正な保健と医療のシステムづくりに向けて

(1)研究方針

  • 健康の社会的決定要因の視座に基づき診療の質を向上させる医療者を育てます。
  • 高齢者20万人の追跡研究(JAGES)のデータ、共同研究企業の人事・健診データ、福祉事務所の生活保護受給者データを使えます(医療・介護保険や医療扶助のレセプトデータとリンケージ済)。他に、新型コロナ感染症の社会的影響に関する2.8万人調査(JACSIS)データ等があります。
  • キーワード:健康格差・医療アクセス格差・健康の社会的決定要因・健康経営・社会的処方・地域包括ケア・マーケティング

(2)MCR参画教員(役職)

近藤 尚己(教授)

(3)MCR大学院生による最近の研究事例

  • 医療現場で活用する生活困窮スクリーニングツールの開発
  • コミットメント効果を活用した職域保健プログラム「健診戦」の効果
  • 地域包括ケアシステム構築支援の効果・健康格差是正効果に関する研究
  • 無料低額診療事業の実態とその効果に関する研究
  • 生活保護受給者の健康と受療行動に関する研究